【短編】ヒーロー
たったそれだけの会話。
なのに、颯ちゃんを好きだって気持ちが溢れ出て、何故か涙も一緒に溢れ出て。
止まらない私を優しく抱きしめてくれた腕が温かかった。
その状況について行けず、一人オロオロしてしまう。
「そっ、そっ、颯ちゃんっ」
「ん?」
見上げた颯ちゃんの顔は
『もうわかってるけど?』
って言ってるみたいだった。
だからかな?
素直に気持ちを笑わずに言葉に出来たのは……。
「好き……」
「知ってる」
そう微笑んだ颯ちゃんの笑顔は昔見た
【ヒーローの颯ちゃん】
の笑顔だった。
-END-
-06.10.16-
⇒後書☆