【短編】ヒーロー
「えっと……彼氏は居ませんけど」
「あ、そうなんですか?
やった♪ あ、俺の事、知らないですよね?」
「あ、う……はい、ごめんなさい……」
だんだん語尾が弱くなってしまう。
「いいんです、まずは友達になってくれませんか?」
へ?
友達?
柳君の可愛い笑顔につられて『はい』って笑顔で答えてしまった私。
友達だったら……ね?
『じゃあ、また』って最後まで笑顔だったなぁ~。
なんて柳君の去った後もボーっとしてた私。
こんな事してる場合じゃなかったっ!
目線を上に向け、また慌てて階段を駆け上がる。