【短編】ヒーロー




「えっと……彼氏は居ませんけど」

「あ、そうなんですか?
やった♪ あ、俺の事、知らないですよね?」

「あ、う……はい、ごめんなさい……」



だんだん語尾が弱くなってしまう。



「いいんです、まずは友達になってくれませんか?」



へ?



友達?




柳君の可愛い笑顔につられて『はい』って笑顔で答えてしまった私。
友達だったら……ね?



『じゃあ、また』って最後まで笑顔だったなぁ~。
なんて柳君の去った後もボーっとしてた私。



こんな事してる場合じゃなかったっ!

目線を上に向け、また慌てて階段を駆け上がる。






< 37 / 77 >

この作品をシェア

pagetop