【短編】ヒーロー
今日も同じメンバーで食べる昼飯。
開けた弁当に……
「お、颯。タコさんじゃん!」
俺より先に見つけたツレ。
……あいつ何考えとんねん。
何でタコやねん!?
しかも赤て……
この着色が嫌いや言うてんのに。
「萌ちゃん……可愛いし優しいし。
あんな子が彼女なんて羨ましい」
横で頷く奴等。
萌子の事は、俺がわかってればえぇのに。
最近、萌子は何か評判がいい。
理由は多分俺に尽くしてる姿……か?
「そんな萌ちゃんをパシリに使うとか最悪な奴ー」
「うっさい、萌子は、俺専用やから手出すなよ!?」
「わかってるよ~。
颯の女に手出したら恐い恐い」
茶化しながら弁当を食べ始めた2人。
萌子は俺の【パシリ】って言われてる。
勿論、パシリなんて思ってない。
でも、萌子はわかってくれてるはず。
そう思ってるのは……俺だけじゃないよな?