【短編】ヒーロー




そのまま、声をかけずに屋上に戻った。

俺が元の位置に座ったと同時に来た萌子。



どうせ言う言葉は、わかってる。



「ごめんね、颯ちゃん……あの」



ほらな。

いつもそうや。
謝ってばっかり。



「教室から屋上まで、どれ程遠いねん」

「ごめんなさい……」



他に言う事ないんか?


萌子と合わせた視線も、すぐに逸らされた。



あいつ……誰?



「もう、えぇわ」



そう言って屋上から出た。







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