【短編】ヒーロー
何か……怒ってんか?
「これ」
差し出した弁当箱を見て、
「わざわざ、それの為に?」
驚いて俺を見つめた。
何や?
今度は、嬉しそう?
そのまま、萌子に誘われ家に入ったけど……。
何か機嫌えぇな。
女ってわからん。
萌子に出されたミルクティーを、飲みながら思った。
――ピンポーン
その時、ちょうど鳴ったチャイム。
――ピンポーン
……何回もしつこい奴やなぁ。
着替えてる萌子に声をかけて、開けたドア。