【短編】ヒーロー
絡めた手を強く握り、俺を見上げたと思ったら、
『キスしたって事は……好きって事?』
って…まだ聞くか!?
そんなん聞かれて言えるか、アホッ。
「さぁな~?」
答えた俺に、不満気な表情。
恥ずかしかったけど……
萌子には言っとかなわからんやろうから頑張った俺。
『今度からちゃんと彼氏いてるから無理!
って断れよ? わかったな?』
って念を押して
「お前は、俺のやからな?」
ここまで言っといた。
だって……萌子やしな?
念には念をっ! ってやつや。
本間、抜けてるからなぁ。
何か言いたそうな顔してるから
頬っぺたにキスしたった。
もう、これ以上言うなって意味でな?
勿論、真っ赤になって焦っとったけど。
「……何か、颯ちゃんキャラ変わった?」
なんて失礼なこと言ったから、また深いキスも。
ま……最後のは、俺がしたかっただけやな。
-END-
⇒後書