S的?彼氏の思うコト ~平畠 慎太郎side story~
いつもの様にお客さんの動きに合わせて仕掛けのスイッチを押す。
と、横に座っている新人の目線が俺に向いている事に気が付いた。
「何だ?」
目線はモニターに向けたまま、俺は口を開いた。
「いえ、何でもないです。」
新人は、驚いた様に声が裏返る。
その反応で『何でもない』訳が無い。
俺は、半ば呆れた様に目線を送る。
「お前、単純だから分かり易いんだよ。『言いたい事があります』って顔に書いてあるぞ。」
新人は驚いて目を丸くしたが、その後何か決心する様に小さく頷くと、話し始めた。
「松本さんに、『このホラーハウスをプロデュースしたのは平畠さんだ』って聞いたんですけど、本当ですか?」
『言いたかった事ってそれか?』
俺は、肩透かしを喰らった様な気持ちだった。
「そうだ。」
俺は、以前の新人の様に『彼女はいるのか?』とか仕事に関係の無い事を聞かれるかと思ったのだが。
やはり、今までのヤツとは少々違う様だ。
ー俺は、らしくない昔話を始めた。
それもこれも、横で熱心に聞く新人のせいかもしれないー
「ーで、今に至る。まぁ、お前はどんな陳腐な人形でも驚きそうだがな。」
反論出来ずに新人は口籠った。
「図星か?」
ワザとらしく鼻で笑ってもなお、反論出来ないでいる。
ここまで、素直な反応をされると、逆に面白い。
「お前、本当に単純だな。」
俺は、モニターに目線を移した。
新人は、言葉を探す様に天を仰いでいる。
暫くの沈黙の後に、何かを見つけた様に話し出した。
「バイトなのに提案しちゃうなんてスゴイですね。」
その言葉に、俺は頭の芯が熱くなるのが分かった。
『バイトなのに』…。
俺の脳裏に何かが映る。
「遊ぶ金欲しさにバイトする様なヤツと一緒にするな。」
気付くと、俺はそう吐き捨てていた。
と、横に座っている新人の目線が俺に向いている事に気が付いた。
「何だ?」
目線はモニターに向けたまま、俺は口を開いた。
「いえ、何でもないです。」
新人は、驚いた様に声が裏返る。
その反応で『何でもない』訳が無い。
俺は、半ば呆れた様に目線を送る。
「お前、単純だから分かり易いんだよ。『言いたい事があります』って顔に書いてあるぞ。」
新人は驚いて目を丸くしたが、その後何か決心する様に小さく頷くと、話し始めた。
「松本さんに、『このホラーハウスをプロデュースしたのは平畠さんだ』って聞いたんですけど、本当ですか?」
『言いたかった事ってそれか?』
俺は、肩透かしを喰らった様な気持ちだった。
「そうだ。」
俺は、以前の新人の様に『彼女はいるのか?』とか仕事に関係の無い事を聞かれるかと思ったのだが。
やはり、今までのヤツとは少々違う様だ。
ー俺は、らしくない昔話を始めた。
それもこれも、横で熱心に聞く新人のせいかもしれないー
「ーで、今に至る。まぁ、お前はどんな陳腐な人形でも驚きそうだがな。」
反論出来ずに新人は口籠った。
「図星か?」
ワザとらしく鼻で笑ってもなお、反論出来ないでいる。
ここまで、素直な反応をされると、逆に面白い。
「お前、本当に単純だな。」
俺は、モニターに目線を移した。
新人は、言葉を探す様に天を仰いでいる。
暫くの沈黙の後に、何かを見つけた様に話し出した。
「バイトなのに提案しちゃうなんてスゴイですね。」
その言葉に、俺は頭の芯が熱くなるのが分かった。
『バイトなのに』…。
俺の脳裏に何かが映る。
「遊ぶ金欲しさにバイトする様なヤツと一緒にするな。」
気付くと、俺はそう吐き捨てていた。