S的?彼氏の思うコト ~平畠 慎太郎side story~
「すみれさんも夏川さんの送別会ですか?」
タクシー乗り場に向かいながら、先を歩くすみれさんに声を掛ける。
「そうよ~。チビ達を実家に連れてったりしてたら、遅くなっちゃった。」
内田マネージャーとすみれさんの間には、2人の子供がいる。
「そういえば、何でスーツなの?」
見慣れないのか、上から下までジロジロと見られる。
「大学関係で、茨城に行ってたんです。」
簡単に説明をしただけで、すみれさんは状況を理解してくれたらしい。
昔から、1を言って10を理解できるような人だ。
「かっこいいわよ。」
ウインクをすると、くるりと踵を返した。
俺は突然の行動に、返す言葉も見つからない。
「どうせタクシーで行くんでしょ?相乗りしましょ。」
そう言うと、すみれさんはスタスタと歩いて乗り場の先頭のタクシーに手を上げて軽く合図をした。
思ったことは、すぐ口にする。
でも、女性らしく色っぽい。
そんな、相反する魅力をすみれさんは持っている。
(内田さんがベタ惚れするはずだ。)
キャリーケースをボンネットに入れると、すみれさんに続き、俺もタクシーの後部座席に乗り込んだ。
「で、何が『何で』だったの?」
窓の外を見ていた視線を、すみれさんに移す。
「いや、何でも無いですよ。」
そう言ってすみれさんと目線を合わせる。
「い~や。何でも無い時に慎ちゃんが独り言を言うはずなうもん。」
微笑みの中の目は、言うまで許さないと言っている。
本当にすみれさんには敵わない。
大体の人間は、やり過ごす自信があるが、すみれさんは昔から俺の何もかもを見透かされているようだ。
...だから、尊敬しているのだが...。
タクシー乗り場に向かいながら、先を歩くすみれさんに声を掛ける。
「そうよ~。チビ達を実家に連れてったりしてたら、遅くなっちゃった。」
内田マネージャーとすみれさんの間には、2人の子供がいる。
「そういえば、何でスーツなの?」
見慣れないのか、上から下までジロジロと見られる。
「大学関係で、茨城に行ってたんです。」
簡単に説明をしただけで、すみれさんは状況を理解してくれたらしい。
昔から、1を言って10を理解できるような人だ。
「かっこいいわよ。」
ウインクをすると、くるりと踵を返した。
俺は突然の行動に、返す言葉も見つからない。
「どうせタクシーで行くんでしょ?相乗りしましょ。」
そう言うと、すみれさんはスタスタと歩いて乗り場の先頭のタクシーに手を上げて軽く合図をした。
思ったことは、すぐ口にする。
でも、女性らしく色っぽい。
そんな、相反する魅力をすみれさんは持っている。
(内田さんがベタ惚れするはずだ。)
キャリーケースをボンネットに入れると、すみれさんに続き、俺もタクシーの後部座席に乗り込んだ。
「で、何が『何で』だったの?」
窓の外を見ていた視線を、すみれさんに移す。
「いや、何でも無いですよ。」
そう言ってすみれさんと目線を合わせる。
「い~や。何でも無い時に慎ちゃんが独り言を言うはずなうもん。」
微笑みの中の目は、言うまで許さないと言っている。
本当にすみれさんには敵わない。
大体の人間は、やり過ごす自信があるが、すみれさんは昔から俺の何もかもを見透かされているようだ。
...だから、尊敬しているのだが...。