S的?彼氏の思うコト ~平畠 慎太郎side story~
「あの日、何でキスしたんですか?」
やはりこの質問か。
俺は、ある程度覚悟をしていたのだが、いざ聞かれると、答えが直ぐ出ないでいた。
「...あれは、悪かった。」
安浦を、気に入っている気持ちは事実だが、相手の意思確認無しにそう言う行為をするのはやはり良い事とは言えない。
何より、その時の心理状態も自分で理解できなかった。
「アルコールのせいにするのはズルいという事は分かっている。」
俺は、無様な言い訳を探した。
安浦が、誰のモノでもない。
そう分かったから浮かれたのだ。
ただ、自分に歯止めが利かなかったのは、アルコールのせい...そう思いたかった。
バツが悪そうに顔を上げると同時に、安浦は勢い良く立ち上がった。
「おい。待て!」
何故かこの場から逃げようとする腕を掴み、引きとめようと引っ張る。
「やっぱり聞きたく無いです!離して下さい!」
俺の手を解こうと安浦は手をバタバタ動かす。
コイツはきっと早とちりをしている。
まだ、俺の話は終わっていない。
「阿呆!最後まで聞け!」
その声に、今まで暴れていた動きが止まった。
俺は、回りくどい言い方をしても、安浦には伝わらないのを思い出した。
「お前なあ。『アルコールのせい』って言っても、何も思ってない奴にキスすると思うか?」
呆れてため息が漏れる。
それに、俺にとっては『あの時何故キスをしたのか』よりも言わなければいけない事がある。
自分からこの気持ちを伝えるのは、なんとなく癪に障るが、勘の鈍い相手だから仕方が無い。
「俺は公私混同するのは嫌いなんだが、お前はそんな事無さそうだからな。」
腕を手繰り寄せ、俺の向かいに座らせると、安浦の顎に手を当てるとジッと目を合わせた。
その目は涙で潤んでいる。
「お前は、俺の事どう思っているんだ?」
照れと相手の気持ちがハッキリしないもどかしさから、そんな言い方しか出来ない。
でも、安浦の瞳は真っ直ぐに俺を捉えている。
拒否、しないんだな。
気付くと俺は、安浦の唇を求め、ゆっくりと顔を近付けていた。
やはりこの質問か。
俺は、ある程度覚悟をしていたのだが、いざ聞かれると、答えが直ぐ出ないでいた。
「...あれは、悪かった。」
安浦を、気に入っている気持ちは事実だが、相手の意思確認無しにそう言う行為をするのはやはり良い事とは言えない。
何より、その時の心理状態も自分で理解できなかった。
「アルコールのせいにするのはズルいという事は分かっている。」
俺は、無様な言い訳を探した。
安浦が、誰のモノでもない。
そう分かったから浮かれたのだ。
ただ、自分に歯止めが利かなかったのは、アルコールのせい...そう思いたかった。
バツが悪そうに顔を上げると同時に、安浦は勢い良く立ち上がった。
「おい。待て!」
何故かこの場から逃げようとする腕を掴み、引きとめようと引っ張る。
「やっぱり聞きたく無いです!離して下さい!」
俺の手を解こうと安浦は手をバタバタ動かす。
コイツはきっと早とちりをしている。
まだ、俺の話は終わっていない。
「阿呆!最後まで聞け!」
その声に、今まで暴れていた動きが止まった。
俺は、回りくどい言い方をしても、安浦には伝わらないのを思い出した。
「お前なあ。『アルコールのせい』って言っても、何も思ってない奴にキスすると思うか?」
呆れてため息が漏れる。
それに、俺にとっては『あの時何故キスをしたのか』よりも言わなければいけない事がある。
自分からこの気持ちを伝えるのは、なんとなく癪に障るが、勘の鈍い相手だから仕方が無い。
「俺は公私混同するのは嫌いなんだが、お前はそんな事無さそうだからな。」
腕を手繰り寄せ、俺の向かいに座らせると、安浦の顎に手を当てるとジッと目を合わせた。
その目は涙で潤んでいる。
「お前は、俺の事どう思っているんだ?」
照れと相手の気持ちがハッキリしないもどかしさから、そんな言い方しか出来ない。
でも、安浦の瞳は真っ直ぐに俺を捉えている。
拒否、しないんだな。
気付くと俺は、安浦の唇を求め、ゆっくりと顔を近付けていた。