S的？彼氏の思うコト ～平畠 慎太郎side story～

「ふん。間抜けな顔だな。お前は、本当に働く気があるのか？」

口を開けて呆ける新人に、俺は更に言葉を続けた。
慌てて口を閉じる姿に、俺は厳しい目線を注ぐ。

「あります！」

以外にも、そう大きな声で反論すると、新人は俺を睨み返してきた。

「話を聞いていなかったのは謝ります。でも、そんな言い方しなくても良いじゃないですか。」

更に言葉尻を強め、主張を続けた。
目の奥に強い意志が伺える。今までの人間とは違う様だ。
大体は、俺が厳しい発言をすると、萎縮して何も言えなくなるか、ひたすら謝罪の言葉を口にする。
どうやら、少しは使えそうだ。

「自らの非を認めたのは良いことだ。」

眼鏡を人差し指で持ち上げると、もう一度厳しい表情を作る。

「だが、働いて金を貰うと言うことが、どういう事か考えろ。」

金を払う価値がある仕事が出来るのか？
それは、俺が働く上で最も重視する点だ。
俺は腕を組みながら問いかけた。