クール×彼 Ⅲ
「実は、夏樹くんの誕生日を知ったのが今日で、プレゼントとか何も用意してないの…」
「…………」
なんだ、そんな事か。
オレは、智佳に『おめでとう』って言ってくれただけで嬉しいのに…
「別に、」
「え??」
「別にオレは気にしないよ
つか、『おめでとう』って言ってくれただけで嬉しい」
「ほ、ほんと??」
「ここで嘘ついてどうすんだよ」
「ぁ、そっか」
やっぱり、智佳って天然。
でも、オレ的には、それがかなりツボだったりする。
「でも、欲しいかも」
ちょっと、いじめてやろうかな。
可愛すぎる智佳がいけない、そう言い訳をしながら言った。
「プレゼント」