ぼくのピペット
 

聞こえていた騒ぎ声もいつしかなくなり、ほとんどの生徒がいなくなっていたことに気付いた。

私は帰ろうと椅子から立ち上がる。

同時に、今日は家に傘を忘れてきていたことを思い出した。





目的の場所に着いたエレベーターはぎこちない音をたてながら、静かに開いた。

入れ違いに黒いガウンを着た男の人が入って行く。

その人を目で見送ると、私は我が家へと向かった。


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