手紙





「え?あ、あぁっ帰りにちょっと寄った・・・」





ワザとらしく目を逸らして答える沖田だが、そんなことにも気づかず、土方は早速手紙の話を持ち出した。





「やっと返事きたのか。何と書いてあった?」






「あ、そうそう。2010年にもですね、土方さんの句が残っているそうですよ」





満面の笑みで言ってやる。





「・・・・え?」





気の抜けた土方の声。





沖田は今にも吹き出しそうだったが、そこはあえて堪えた。






「今は身内だけしか知らないかもしれませんが、未来では全国民が知っているわけです。もう少しうまく詠みましょうね」






< 112 / 432 >

この作品をシェア

pagetop