手紙





斎藤は読み終わった手紙を返しながら、首を傾げた。





「何だ、久しぶりの手紙。嬉しくなかったのか?」






斎藤の言葉に、複雑な表情で答える。






「嬉しいよ?」






「喜んだ顔をしているようには見えぬのだが」






沖田は笑うしかなかった。






だがそれも、斎藤には悲しい表情にしか見えなかった。






「するどいね。一くんは」







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