手紙




町は刀を腰に差した者や、着物を着て綺麗に化粧をしている女性らが行き交う。






同じ日本でも、睦月は昔と全然違うと言っていた。





どう違うのか。





もちろん沖田には2010年の日本をこれっぽちも想像できるはずがなく、睦月とは生きる世界が違うのだと思い知らされるだけだった。






沖田は本日何度目かのため息をつき、気を紛らわそうとだんご屋に入った。






「あら沖田さん。お久しぶりでございますの」






だんご屋の看板娘、桜が笑顔で沖田を迎え入れる。






「実は新しいだんごが出ましたの。いかがしますか?」






「じゃあ、それで」








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