手紙





沖田はそれを丁寧に瓶に入れ、海へ出かけた。





「この瓶は、蒼井睦月に届くんだよな・・・」





沖田は海を見つめ、そう呟いた。






このビンだけが睦月との橋渡し。




「会いたい」なんて考えるようになった自分に驚いた。




いつの間にか、文通だけじゃ物足りなくなっていたのだ。






絶対に会えない。





分かっているのに。




そんなこと、とっくに分かっていた。






なのに、諦めきれないのはこのビンが睦月に届くから。







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