手紙
睦月の肩を叩きながら、「お母さんに連絡しなきゃね」とケータイを取り出した。
「そ、そっか。連絡・・・」
睦月は未だよく分からない状態に立たされているように、あたふたとするが、もう既に美咲がお母さんに電話をしているため、その焦りは無用だった。
「あたし、受かったんだ・・・」
小さく自分で呟いてみる。
少しずつ湧き始める「高校生」という実感。
そして今まで受験に対してしてきたことが、次々と脳裏に浮かんだ。
お母さんと美咲に怒られ、泣きながら無理やり机に向かったり、
クラスのみんなで学校に泊まって受験勉強もした。
推薦ですでに決まっている友達にイライラしたりもした。