手紙
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「はいはーい!今日暇な人ー!」
ある日の放課後の教室、今日も真帆はそう叫んでいた。
「どうせ街に寄りたいんでしょ?」
「やれやれ」と恵理がダルそうに鞄を持ち上げる。
「あ、分かった?」
「てか、昨日も行ったじゃん」
美奈が飴玉を口に放り込みながらそう言った。
「だってだって、毎日でも遊びたいんだもん!!」
子どものように、少し声を高くして言う真帆に、恵理が「分かったから大人しくして」と厳しい言葉を吐く。
「でもわかってる?あたしたち受験生だよ?」
「やだっやめて!!あたしに現実を見せないでっ」
美奈の発言に、真帆が「まぶしいっ」とでも言うように顔の前で両手をかぶせる。