手紙




きっと今日もない。




今日も手紙は来ていない。




きっともう手紙は来ない。





いや、今日こそ・・・





沖田は辺りを見回した。





「・・・・・・・奇跡・・・」






そう言った沖田の目には、海から流れてくるビンをとらえていた。






ゆっくりとゆっくりとこちらへ向かってくるビンは、明らかに睦月からのもの。





沖田は待ちきれず、羽織だけをその場に脱ぎ捨て海に入った。





冷たい海の水が、沖田の服を重くする。





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