手紙




別に、そんなんじゃない。




睦月から手紙が来て嬉しい。





嬉しいけど、何かが違う。





足りないんだ。





手紙だけじゃ、足りない。






本気で会いたいなんて思っている自分がもどかしい。






せめて、声が聴きたい。





姿を見たい。





たったそれだけのことなのに、これっぽちも叶う気配がない。






「はは・・・」





沖田は悲しく笑い、手紙の返事を書き始めた。






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