手紙




それでも気にせずに海を見つめる。





どんどん沖に流れていくビンが、羨ましく見える。





自分だって睦月に会いたいのに。





睦月に会えるのは、このビンだけだ。





「・・・・・・・・・・・・・・・え?いやいやいやいや・・・俺は・・・・・・」





一旦冷静になり、頭の中を整理する。






「今俺、ビンなんかに嫉妬した?」






整理した結果、そんな言葉が出てきた。






「くだらない。帰ろ・・・・」








沖田が屯所に戻った時、すでに雨はどしゃぶりだった。






< 175 / 432 >

この作品をシェア

pagetop