手紙
今日も朝っぱらから担任のくだらない話に、みんな形だけ耳を傾ける。
そんな中、翼は睦月に話しかけた。
「なぁ、今度俺も連れてってよ、海」
「え?」
「お前がそこまで執着持ってる海だよ」
目も合わせず言う翼に、睦月は驚いた顔をした。
「翼も、海行きたいの?」
「お前がそこまで海、海っつーから興味持っただけだ」
その言葉を聞いて、だんだんと口角が上がっていく。
「いいよ」
睦月は朝礼中にも関わらず、大きな声で承諾した。