手紙




「待ってる?」





翼の聞き返しに、「それ以上は言わない」と意地悪な笑顔を見せた。





「ずーっと眺めてたら、ちゃんと来るんだよ」






そんな睦月に、翼はもちろんよく分からないといった顔。






それでも睦月は続けた。





「海ってホント凄いんだよ。太陽が沈むの見たことある?本当に海に沈むんだから。それに、何処までも繋がってる・・・」






自分と沖田を繋いでくれている。







そう言いたかったけど、我慢した。





「だからね、あたし海が大好きなんだーっ」






その時、風と共に一瞬変な空気が横切った。






< 201 / 432 >

この作品をシェア

pagetop