手紙
「待ってる?」
翼の聞き返しに、「それ以上は言わない」と意地悪な笑顔を見せた。
「ずーっと眺めてたら、ちゃんと来るんだよ」
そんな睦月に、翼はもちろんよく分からないといった顔。
それでも睦月は続けた。
「海ってホント凄いんだよ。太陽が沈むの見たことある?本当に海に沈むんだから。それに、何処までも繋がってる・・・」
自分と沖田を繋いでくれている。
そう言いたかったけど、我慢した。
「だからね、あたし海が大好きなんだーっ」
その時、風と共に一瞬変な空気が横切った。