手紙
「あ・・・・ごめ・・・あたし・・・・」
そこまで言うと、翼は手を離した。
その瞬間、睦月は全速力でその場を離れた。
気づいてしまったんだ。
「好き」という気持ちがどういうことか。
ただ、「会いたい」だけじゃないんだって。
手つないで、デートして、キスして・・・
いつのまにか自分は、そんなことを望んでいたんだって。
そんなこと無理だって初めからわかっている。
でも、手紙が続く以上、可能性を0に出来ないんだ。
たった1%の可能性が、たった0.1%の可能性が、その気持ちを作り出していたんだ。