手紙
ボソっとつぶやく睦月の言葉を、たった1文字で聞き返す。
「京都に行くんでしょ!?新選組じゃん!!沖田さんじゃん!!」
騒ぎまくる睦月に、妃菜は「何だ」と机に肘をつき、頭を支える。
「睦月が歴史好きなんて初めて知った」
「え・・・・?」
一瞬、何を言われたのか分からなかった。
沖田は過去の存在の人であって、今この時代には生きていない。
でも睦月の知る沖田はしっかりと生きている。
すでに歴史とされていることを忘れていたのだ。