手紙
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「行ってきまーす!!」
いつもより何倍もの声で家を飛び出す。
昨夜は楽しみすぎて寝つきが悪かったが、全然睡眠不足なんてことはない。
今日から修学旅行だ。
キャリーバッグをゴロゴロと引きずりながらいつもの道を歩く。
少し早く家を出たのには訳があった。
もちろん海に行くためだ。
荷物は置き去りに浜辺を歩く。
「手紙ー・・・手紙ー・・・沖田さんからの手紙ー・・・」
そう呟く矢先に、ビンは見えた。
風で転がり、1回転する。
睦月は走ってそれを取りに行き、慣れた手付きで中身を出す。