手紙
波の音だけが静かに響き、辺りは誰の人影もなかった。
鞄から沖田からの手紙を取出し、書いてある通りに従う。
「海を見て・・・左手の方にある、おっきな岩・・・」
すぐにわかった。
端の方にある大きな岩。
睦月はその岩に寄りかかり、沖田を待った。
10分、20分・・・・30分経っても、沖田が現れる様子はない。
「はは・・・・沖田さん遅刻だよ・・・」
言いながら目を閉じる。
あのまま開けていたら涙がこぼれそうだったから。