手紙




波の音だけが静かに響き、辺りは誰の人影もなかった。






鞄から沖田からの手紙を取出し、書いてある通りに従う。





「海を見て・・・左手の方にある、おっきな岩・・・」





すぐにわかった。




端の方にある大きな岩。






睦月はその岩に寄りかかり、沖田を待った。






10分、20分・・・・30分経っても、沖田が現れる様子はない。






「はは・・・・沖田さん遅刻だよ・・・」






言いながら目を閉じる。






あのまま開けていたら涙がこぼれそうだったから。






< 224 / 432 >

この作品をシェア

pagetop