手紙
第十章
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朝、登校中に海へ寄る。
波が押し寄せ、そしてまた引き返す。
睦月は濡れる一歩前に立ち止まり、届いたばかりの沖田からの手紙を読んでいた。
いや、もう何度もその場で読み返している。
自分の瞳から、自然と涙がこぼれていることも知らずに。
「沖田・・・さん・・・・」
そう呟いて初めて、自分の声が震えていることに気が付いた。
泣いてる・・・・
堪えようとするも、あふれる涙は止まらない。
「沖田さん、沖田さん、沖田さん・・・・」
何度名前を呼ぶも、返事のない海に、苛立ちさえ感じる。