手紙
なぜか睦月の頭の中には、現実的な答えしか浮かんでこなかったのだ。
悲しすぎて、切なすぎて、涙ばかりが溢れ出る。
体の水分全てを外へ出しているような気分だった。
と、その時だった。
後ろから、足音が聞こえたと思った瞬間、同時に自分の名前を呼ぶ声が耳に届いた。
「睦月っ!」
勢いよく振り向く。
「ひ、妃菜!?」
「睦月!何してるの!?」
学校のはずの妃菜が目の前にいる。
睦月は今まで抱えていた不安と、この状況に頭がついていかず、立ちくらみを起した。
「睦月っ」