手紙
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ピンクのベッドカバーは、朝起きた時のままで端で丸まっていたものの、睦月の部屋はきれいに片付けられていた。
涙を拭きながらも「お茶もってくるね」と言う睦月に、さすがの妃菜も気を遣う。
「睦月・・・そんないいよっほら、座って?早く話して?」
ドアを開けるのを止め、少し不満そうな顔で振り返るが、おとなしくカーペットの上に正座をし、すぐに足を崩した。
だが、なかなか口を開かない。
「ゆっくりでいいから話そ?睦月は溜め込みすぎなんだよ」
「あ・・・・」
かすれかすれの声が、静かに部屋に響く。
「あ、あのね、信じれないかもしれないけど・・・」
妃菜は何も言わずに首を傾げ、睦月の話に集中した。
「あたしね、中学3年生の時から文通してる人がいるんだけどね・・・」