手紙
優しい口調だが、睦月には妃菜の視線が痛かった。
「あ、あたしは・・・・」
確かに、これ以上沖田と文通して想いを伝えたとしても、付き合えるわけではない。
ましてや結婚なんてできるわけもない。
触れることもできなければ、声を聞くことさえもできない。
「あたし・・・・・」
どうすればいいかわからない。
ここで文通を止めると楽になれるかもしれないが、沖田との接点が全くなくなってしまう。
「よし、じゃあ文通はこれにておしまいね!あたしが新しい男紹介してあげるから!」
「え、え!?」
妃菜は立ち上がり、部屋の隅に寄せていた鞄からケータイを取り出した。
「えっとねー誰がいいかなー・・・って言ってもあたしもあんまり知らないんだけどね」