手紙
「手紙なら、俺が出しにいってやる」
そういう斎藤に、沖田は何も考えていないかのような表情を見せるが、すぐに顔を伏せた。
「その必要はないよ」
沖田は机に置いてあるビンを手に取り、そう言った。
「あれから来てないんだ。手紙。もう1年になるかな?」
笑みを見せるも、そこから悲しみがにじみ出ているのが分かった。
「何で・・・・」
「分かんないけど・・・まぁ、今まで届いてたことが奇跡だし、いつ途切れてもおかしくなかったからね。
仕方ないんじゃない?睦月が出してくれてないのなら別だけど・・・」
斎藤は何も言わず、ただその場に佇んだ。