手紙
****
久しぶりの海。
定期的に流れくる波の音に、「こんなんだったっけ?」とさえ思ってしまう。
沖田は海の向こうの、地平線のもっと向こう側を見て、睦月を想った。
だが沖田の求めているビンはどこにもなく、浜辺の端のほうにある大きな岩の根元にしゃがみこんだ。
そして埋めてあるビンを掘り起こす。
睦月も同じものを持っている。
それが嬉しくて嬉しくて、何度もそこにあることを確認してしまう。
それから、また睦月を想う。