手紙
ほんの30分程前、放課後の教室で、4人は一番後ろの窓側の席、睦月の席に集まっていた。
手にはそれぞれ白い紙。
実力テストの結果だ。
そして、「せーの」の合図で一斉にそれを見せ合った。
しーんと静まり返る。
窓の隙間から入る桜の花びらが、テストの答案用紙の上に、ひらひらと落ちてきた。
風の音に合わせて、恵理の声がだんだんと大きくなる。
「美奈が83、真帆が72、私が74、睦月が・・・48?」
「あ・・・あは」
睦月は苦笑いを浮かべ、自分の答案用紙に目線を落とした。
まさかの睦月の点数に唖然とする3人。
そして恵理がため息をついた。