手紙

___35






いつも聞こえていた波の音だが、近くではこんなにも大きかったっけ、と1年前の記憶が蘇る。





少し気温が下がり、肌寒くなるこの感じも懐かしく思える自分が腹立たしい。





沖田はきっと今、苦しんでいる。






結核がどのような病気かは知らないが、そのくらいわかる。





会いたい。





命を助けるのは無理だけど、沖田さんだって、睦月に会うことを望んでいる。






せめて最期に、沖田さんの1番望むことをしてあげたい。





それに、なにしろ睦月自身も会いたいのだ。





「沖田さん・・・・会いたいよ」





切ない睦月の声は、波の音にかき消される。





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