手紙
第十三章
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「一くん。今日、いいかな。」
「あぁ、わかってる」
沖田の自室に来た斎藤に、さっそくそう口を開いた。
「すみません。お願いします」
えらく律儀な沖田に、口が緩む。
だが斎藤は何も言わず、黙って見下ろした。
そんな斎藤に、沖田は頭に?マークを掲げた。
「何?どうしたの?」
「いや、今日こそあればいいと思って・・・」
沖田より悲しそうな顔をする斎藤。
「お願いします」
斎藤はその声を最後に部屋を出て、沖田の代わりに海へ出かけた。