手紙




斎藤はそれを確認すると、もう1度ゆさぶった。





「おい、お前っ」





その声に反応したのか、その女の子は1度ぎゅっと目を閉じ、ゆっくり開いた。




気が付いた。





斎藤は安堵の溜息をついた。





「こんなとこで何をしている」





そう問うも、女の子はポカンとした顔で斎藤を見つめる。





訳が分からないまま、辺りを見回すが、何もわからなかった。





「家どこだ?」





斎藤の質問に何も答えない。





やれやれと頭をかき、女の子を起すのと同時に、そばにあったビンを手にとった。





そして自分の隊服を1枚着せた。





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