手紙
「行くぞ」
とりあえずこの場から離れようと、斎藤はその子の手を引いて歩き出した。
その時気づいたんだ。
斎藤がビンを手にしていることを。
「あっそれ!」
初めて聞いた声に、無言で振り返る。
「なんで・・・?」
「どうした」
斎藤は女の子ときちんと向き直し、同じ目線までしゃがんだ。
「それ・・・」
女の子が指さす方を見ると、それはもちろん斎藤が手にしているビンだった。
「ん?これか?」
「何で・・・持ってるんですか?」