手紙
____3
****
「ねぇねぇ、新選組ってなぁに?」
「え?」
何気ない蒼井家の夕食。
お父さんはよくある出張なため、お母さんと睦月と、お姉ちゃんの美咲で食卓を囲んでいた。
「新選組だよ」
聞き返す美咲に、睦月は同じ言葉を繰り返した。
「新選組なら、ほら、江戸時代の人たちでしょ?」
お母さんが冷蔵庫から、出し忘れていたドレッシングを取りながらそう言う。
「江戸時代?」
「うん。京都の街を守っていた人」
「やっぱり京都なんだ!」
「そりゃ、新選組の屯所は京都にあったしね」