手紙





睦月は落ち着けるために、「ふー」と長い息を吐いた。





そして襖の奥から、斎藤の声が聞こえる。





「入ってよい」





「失礼します」





ゆっくりと開け、そしてまたゆっくりと顔をあげる。





するとそこには、1人の男の人の姿があった。





もちろん沖田だ。





布団から上半身だけを出し、力のない目で睦月を見た。





「沖田さん・・・ですか?」





「はい。どちら様・・・」





そう尋ねようとするも、沖田は言い終わる前に気付いた。





「睦月・・・」





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