手紙





驚くばかりの沖田に、斎藤は冷静にビンを上げた。





「こいつと一緒に流されてきたそうだ」





そう言いながら、軽々とそのビンを沖田に投げる。





「手紙・・・」





「これ拾いに行ったら、蒼井睦月が倒れてた」





「倒れてた?」





「海渡ってきたそうだ。奇跡。」





「奇跡・・・」





「全部、総司のためだ」





斎藤の言葉に、沖田も睦月もなんだかしんみりとなる。





そして、やっと沖田がまともな言葉を発した。





「ごめん一くん。少し席を外してもらっていいかな?」





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