手紙
美咲が箸でコロッケをつつきながら、当たり前のように答える。
「じゃあさ、江戸時代って、えっと・・・えっと・・・」
「どうした?」
なかなか先の言葉が出てこない睦月に、顔をしかめてみせる。
「ちょっと待ってて!」
乱暴に箸を置き、食事中にもかかわらず席を立った。
「あぁちょっと睦月?ごはん中でしょ!」
そんなお母さんの注意も聞かず、軽やかに自分の部屋への階段を駆け上った。
「手紙~手紙っと」
呟きながら机をあさり、海で拾った手紙を探す。
「あったー」
無意味に出てきた手紙を天にかざしてみる。