手紙




ふいっと顔を背けるように方向を変える沖田。





半ば小走りで付いていく。





が、すぐに速度は落ちた。





沖田の気遣いだ。





「行きたい場所、すぐ思いつくんですね?」





「え?」





突然の睦月の言葉に、沖田は反応に困った。





どういう意味か分からなかったのだ。





「あたし、前1度だけ男の子と2人で出かけたことがあります。でも、その時その人は誘っておきながら、行きたい場所なんてなく、あたしの行きたい場所に行こうと言われて・・・正直困りました。結局そこらへんの椅子に座ってお喋りをしただけでした」





睦月は二条光を思い浮かべて話し出した。





「半ば無理やりの誘いだったし、全然楽しくなかったです。だから、沖田さんがこうしていろんなところに連れてってくれるの、本当うれしいです。楽しいです!!」





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