手紙





顔を上げて、満面の笑み。





またこのアングル・・・





沖田は複雑な思いでグーに丸めた手を口元に追いやった。





「ずっと思ってたんです。睦月と会ったら、ここに連れて行こうって。ここに睦月と一緒に行きたいって。こうして睦月が男の人と出かけるのは、俺が初めてですようにって。でも、違ったんですね。俺は初めてなのに」




「え?」





「気にしないで下さい。ただのヤキモチですよ」






そう言い、また歩みを進める沖田に、混乱する睦月。





「や・・・きもち?」





沖田さんがヤキモチ?




ヤキモチって嫉妬?





ヤキモチって・・・・






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