手紙
第十四章
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「今戻った」
異様に静かな屯所。
沖田の「ただいま」の声に反応する者がいない。
「誰も居ないのか・・・?」
恥ずかしいからと、屯所に着く少し手前で繋いでいた手を離したというのに、誰も居ないというこの始末。
沖田はこの状況に疑問を抱きながら、自室へと睦月を案内する。
「みなさんでお出かけなんでしょうか?」
「いや、普通はあり得ないけどな・・・」
睦月の推測を否定するも、そう考えたくなるほど、屯所内は静かだった。