手紙




そして特別何をすることもなく、夕飯までの30分をダラダラと過ごし、1階からいつものごとくお母さんの叫び声が聞こえた。




「睦月ーご飯よー」




「はーい」





間延びた返事で返し、よっこらせとベッドに倒していた体を起こす。





「あ、カレー」





鼻をつくいい匂いに、くんくんと犬のように空気を吸う。





「今日はカレー?」




扉を開け、とりあえず顔だけ出して見せる。





「そうよ、早くご飯つぎなさい」




「はーい」





大好きなカレーのおかげか、少し体を跳ねさせながら自分の分のご飯をついだ。





蒼井家は、「自分の分は自分でつぐ」という決まりがあるのだ。






< 39 / 432 >

この作品をシェア

pagetop