手紙
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朝、屯所の中庭に住む小鳥の鳴き声で目を覚ますというなんとも古風な目覚めに、睦月は目をこすった。
そんな目覚めのお陰か、今までのことが「夢」ではないことを知らせてくれる。
だが、目の前で眠っていたはずの沖田が姿を消していた。
「沖田さん・・・・?」
小さく名前を呼び、辺りを見回すが、沖田の姿はない。
ただ、襖が半分程度開いていた。
そこから小さく足音が聞こえる。
一定のリズムを保ち、そんな足音は睦月の居るこの沖田の部屋で止まった。