手紙
「今日は大盛りにしよーっと」
そんなウキウキな睦月に対し、遅れて美咲がダラダラとキッチンにやってきた。
「あ、カレー?」
「そうよー美咲勉強進んでる?」
「寝てた」
まだ眠たそうに頭を掻く美咲に、睦月はしゃもじを渡しながら言った。
「だめじゃんかーちゃんと勉強しなきゃー」
そんな睦月に、お母さんから厳しい一声。
「睦月、あんたの方が勉強しなきゃいけないのよ。受験生ってこと忘れてない?」
「うえっやめてよーせっかく現実逃避してたのに」
「バーカ。あんたあたしと同じ高校入るって言ってなかった?」
カレーの盛られた皿をテーブルに置き、棚からスプーンを出しながら、美咲からも一声。