手紙
海へ着くまでの間、ほとんど会話はなかった。
まだまだ話したいことはあるはずなのに、別れが近づくにつれ、何を話していいのかわからない。
互いが思っていることはただ1つ。
“離れたくない”
だが、そんな気持ちは誰にも届かず、海へと着いた。
「本当に、お別れなんですね・・・」
目も合わせず、俯いたまま悲しく笑う。
「会いにきてくれて、ありがとうございました。ほんの少しでしたけど、本当楽しかったです。あっちに着いたら、また手紙下さいね」
沖田の口から次々と別れの言葉が出るのが、あまりにも現実的過ぎて涙が出た。