手紙
「睦月さん修学旅行京都だったんですか?一緒です!私も京都でしたよ」
「本当?良いところだよね」
「なんか、和みますよね」
七海の言葉に、少し胸がぎゅーってなった。
「あれあれ~睦月さんたち何か盛り上がってない?」
片手に書類を持ってやってきたもう1人の男性部下が、睦月たちの会話に入ってきた。
「大丈夫よ。手は動いてるから。ね、七海ちゃん」
睦月は七海に同意を求めるよう、首を傾げた。
「わかってますよ。俺はこれ持ってきただけです。はい、今月企画の書類です」
「あ、ありがとう」
睦月はそれを受け取り、机に向かうよう座ったままイスを回した。
それでも男はその場を離れようとはしない。